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こんにちは、日に日にWi-Fiに接続するデバイスの数が増えているイツキ(@saigalog)です。
スマートホーム化した各家電は正確に動いてほしいし、ストリーミングでの4K動画の視聴やオンラインゲームのプレイもいつでも快適にできるようにしたい。
自宅のネット環境への欲はとどまることを知りませんが、今回レビューするTP-Linkの「Deco X90」はそんなネットヘビーユーザーの願いを叶えてくれるWi-Fi 6ルーターです。
基本的にはこれまでの同社のDecoシリーズと同じ…にはなりますが、さらに大きく進化した点が2つあります。
まず1つ目がAIメッシュ機能で、これによりルーターが環境を自動で学習し最適なWi-Fiを提供してくれます。
そしてもう1つがトライバンド対応。
5 GHz帯がもう1つ増え、合計で6600 Mbpsの最大速度を発揮できるようになりました。
もはや家庭で使う光回線の速度を余裕で超えています。
本記事ではそんなパワフルで便利なWi-Fi 6ルーター「Deco X90」を、実際の速度検証も含めて詳しくレビューしていきます!
メッシュとは「網の目」、つまり網目状にWi-Fi(無線LAN)を張り巡らせることを指します。
無線LANの弱点である「距離・障害物があると電波が弱くなる」「複数台の端末を接続するとパフォーマンスが落ちる」を解決するのがメッシュWi-Fiです。
※この記事はメーカー様より製品をご提供いただき、作成しております。
「Deco X90」の外箱は、白と青基調でシンプルなデザイン。
裏面にも製品のグラフィックと機能説明の記載があり、とてもわかりやすくなっています。
同梱物として以下のものが入っています。
- ルーター本体 × 2
- 電源アダプター × 2
- LANケーブル
- カンタン設定ガイド
付属のLANケーブルの長さは約120 cm。
電源アダプターの長さは約140 cm。
電源アダプターには仕様が記載されています。
Model:T120250-2B4
Input:100-240V~ 50/60Hz 0.8A
Output:12V 2.5A
PSEマークが記載されているので、安心して使うことができますね。
電気用品安全法は、電気製品が原因の火災や感電などから消費者を守るために施行された法律で、日本国内で100Vコンセントに接続して使用されるほとんど全ての民生用電気製品が対象となる安全規格です。
この法律により、メーカーや輸入業者は、消費者が区別できるよう適合製品にPSEマークをつけて販売することを義務付けられています。
TP-Linkの「Deco X90」はトライバンドに対応し、AIメッシュWi-Fiシステムを搭載したWi-Fi 6ルーターです。
本体のスペックは以下のとおり。
モバイルは左スライドで全表示製品名 | Deco X90 |
本体サイズ | 直径130 mm、高さ210 mm ※実測値 |
重さ | 718 g ※実測値 |
規格 | Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax/ac/n/a (5 GHz) IEEE 802.11ax/n/b/g (2.4 GHz) |
Wi-Fi速度 | AX6600 5 GHz: 4804 Mbps (802.11ax, HE160) 5 GHz: 1201 Mbps (802.11ax) 2.4 GHz: 574 Mbps (802.11ax) |
Wi-Fi範囲 | TP-Linkメッシュテクノロジー AIメッシュ ハイゲインアンテナ × 4(内蔵) スマートアンテナ × 2(内蔵) トライバンド ビームフォーミング |
Wi-Fi性能 | トライバンド 4×4 MU-MIMO OFDMA 8ストリーム |
動作モード | ルーターモード ブリッジモード |
プロセッサー | 1.5 GHzクアッドコアCPU |
有線ポート | 2.5Gbpsポート×1 ギガビットポート×1 *各Decoユニット(WAN/LAN自動判別) |
Wi-Fi暗号化 | WPA WPA2 WPA3 |
ネットワークセキュリティ | SPIファイアウォール アクセスコントロール |
ゲストネットワーク | 5 GHzゲストネットワーク×1 2.4 GHzゲストネットワーク×1 |
プロトコル | IPv4 IPv6 |
サービスキット | HomeShield |
保護者による制限 | プロファイル作成 プロフェッショナルコンテンツフィルターライブラリ 家族時間 就寝時間 オフ時間 利用時間割り当て 家族のオンライン時間ランキング インターネット一時停止 週次・月次レポート |
WANタイプ | 動的 IP 静的IP PPPoE PPTP L2TP |
QoS | HomeShield QoS デバイスごとのQoS |
クラウドサービス | OTAファームウェアアップグレード TP-Link ID DDNS |
NAT転送 | Port Forwarding UPnP |
IPTV | IGMPプロキシ IGMPスヌーピング ブリッジ タグVLAN |
DHCP | アドレス予約 DHCPクライアントリスト サーバー |
外観
「Deco X90」の外観は白一色で、余計な装飾などはなくシンプルな円柱形が印象的なデザインです。
天面はロゴのみで、白く光沢があります。
側面はマットな質感です。
側面にあるスリットの下部にはLEDランプがあります。
- 黄色く点滅:再起動中
- 黄色く点灯:起動中
- 青く点滅:設定可能
- 青く点灯:設定完了
- 緑色/白く点滅:ファームウェアアップデート中
- 緑色/白く点灯:正常動作中
- 赤く点滅:1台目Decoと接続が切れている
- 赤く点灯:問題発生中
設定が完了し、問題なくインターネットに接続されていれば基本的には常時「緑」色に光っています。
底面はこんな感じで、円周を沿うように通気口があります。
中央にはSSIDと製品のカンタンな仕様が記載され、その下にはRESETボタン、上には電源ポートがあります。
電源アダプターとコンセントを繋いで使います。
背面にはWAN/LANポートが2つあります。
サイズ・重量
「Deco X90」の直径は130 mmです。
高さは210 mm。
サイズは実測値です。
スマホ(iPhone 12 Pro)と比較するとこんな感じのサイズ感。
手に持つとそれなりの大きさであることがわかります。
重さは718 gでした。
機能
「Deco X90」のAIメッシュWi-Fiは新規格のWi-Fi 6に対応し、ネットワーク環境を学習して各家庭にあった理想的なWi-Fiを提供します。
スマートアンテナが他のDecoユニットを自動検出して相互に強力なバックホールを確立し、家の隅々までシームレスなWi-Fi環境を提供します。
8ストリームのトライバンドWi-Fi 6ネットワークが合計最大速度6600Mbpsを実現し、8Kビデオやクラウドゲームも快適に視聴・プレイできます。
接続可能台数は驚異の「200台」。
OFDMAとMU-MIMOテクノロジーで、トラフィックの多い環境でもスムーズな接続が可能です。
AIメッシュがネットワーク環境やクライアントの種類、ユーザーの行動を自動的に学習して各家庭にあわせた理想的なメッシュWi-Fiを提供してくれます。
TP-Link HomeShieldに内蔵された「ネットワーク保護」「保護者による制限」「QoS」といった複数のセキュリティツールで、ネットワークを保護・管理します。
2.5 Gbps/1 Gbpsポートを搭載しているので、有線接続ならさらに高速のインターネット通信が可能です。
ルーターの設定や管理は、専用アプリ「TP-Link Deco」なら便利でカンタンに行うことができます。
Alexaと連携できるので、スマートスピーカーから管理できるのが便利ですね♪
その他にもDecoシリーズならではの特徴があります。
シンプルで洗練されたデザインで、インテリアの邪魔にはなりません。
「Deco X90」を使う上で便利なアプリ「TP-Link Deco」が用意されています。
TP-Link Deco
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接続している「Deco X90」の一覧が表示されます。
「Deco X90」の名前やファームウェア、接続中のクライアント(端末)といった情報を確認できます。
ここで名前を変更することもできます。
接続しているクライアント(端末)を確認できます。
もし知らない端末が接続しているなんてことがあったら、怪しい!とすぐにわかりますね。
2.4GHz、5GHzのネットワーク名やパスワード、ゲストネットワークのオン/オフを変更できます。
「ルーター設定」では、その他各種設定やツールを使うことできます。
- Wi-Fi
- ブラックリスト
- Decoのアップデート
- 詳細
- WPS
- 管理者
ルーターを選ぶ上で一番気になるのが通信速度ですよね。
実際に「Deco X90」でどのくらいの速度が出るのか計測してみました。
上記図は借り物のイラストなのでわが家の間取りとは違うのですが、イメージとして使っています。
まず「ルーター(Deco X90)」は、1階ダイニングとリビングのちょうど中間あたりに設置。
そしてもう1つの「ルーター(Deco X90)」は、2階の仕事部屋に設置しています。
そして計測したポイントは2つ。
ルーターから近い「1階 ダイニング」と、私が主に仕事部屋として使っている「2階 仕事部屋」。
2階建て木造家屋、4LDKという間取りになっています。
ちなみに回線は「OCN 光 ファミリータイプ(戸建て)」になります。
一般の個人宅で行った1つの検証結果ですので、環境やその他条件によって結果が大きく変わる可能性があることを予めご了承ください。
今回計測するにあたり、同じくTP-Linkの前世代モデル「Deco X60」を比較対象としています。
Deco X60レビューはこちら 【Deco X60 レビュー】正当進化!便利さはそのままにスペックアップしてより快適なメッシュWi-Fi環境構築ができるWi-Fi 6ルーター
結果…
- Deco X60(1台のみ):280 Mbps
- Deco X60(2台設置):320 Mbps
- Deco X90(1台のみ):330 Mbps
- Deco X90(2台設置):380 Mbps
結果…
- Deco X60(1台のみ):242 Mbps
- Deco X60(2台設置):130 Mbps
- Deco X90(1台のみ):228 Mbps
- Deco X90(2台設置):115 Mbps
結果…
- Deco X60(1台のみ):420 Mbps
- Deco X60(2台設置):280 Mbps
- Deco X90(1台のみ):200 Mbps
- Deco X90(2台設置):230 Mbps
結果…
- Deco X60(1台のみ):211 Mbps
- Deco X60(2台設置):250 Mbps
- Deco X90(1台のみ):74 Mbps
- Deco X90(2台設置):196 Mbps
というわけで各条件での測定結果が出そろいました。
以下、PCとスマホそれぞれの速度を速い順に並べていますが、個人的にはかなり興味深い結果となっています。
PCで速度が速かった順
- 2階 仕事部屋 Deco X60(1台のみ):420 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X90(2台設置):380 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X90(1台のみ):330 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X60(2台設置):320 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X60(2台設置):280 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X60(1台のみ):280 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X90(2台設置):230 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X90(1台のみ):200 Mbps
スマホ(iPhone 12 Pro)で速度が速かった順
- 2階 仕事部屋 Deco X60(2台設置):250 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X60(1台のみ):242 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X90(1台のみ):228 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X60(1台のみ):211 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X90(2台設置):196 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X60(2台設置):130 Mbps
- 1階 ダイニング Deco X90(2台設置):115 Mbps
- 2階 仕事部屋 Deco X90(1台のみ):74 Mbps
全体的に前モデルの「Deco X60」のほうが速い気がする…。
とは正直思うところではありますが、今回の速度検証は「Deco X90」を設置した直後に行っているので目玉の機能であるAIメッシュによるWi-Fi環境の最適化が行われていない可能性が高いです。
繰り返しになりますが、個人宅で行った1つの検証結果ということで参考にしてもらえればと思います。
まずPCですが、多少バラつきはあるもののどの部屋でもだいたい200 Mbps以上の安定した速度を出すことができました。
自宅の回線でどこでもこの速度でWi-Fiが使えるのであれば、基本的に困ることはまずないでしょう。
次にスマホですが、2階での計測時に1台設置と2台設置の差が如実に現れる結果となっています。
どこでも安定してPC・スマホに限らず200~300 MbpsのWi-Fiが使えているので、十分な性能を発揮してくれています!
TP-Linkには「Deco X90」の前世代モデルにあたる「Deco X20」「Deco X60」という製品があります。
速度検証でも比較対象にしています。
外観や大きさ、性能に違いがあるのでその中でも特徴的な箇所を表にまとめました。
モバイルは左スライドで全表示Deco X90 | Deco X60 | Deco X20 | |
---|---|---|---|
価格(2パック) | 49,800円 | 33,270円 | 21,675円 |
サイズ | 直径130 mm、高さ210 mm | 直径110 mm、高さ113 mm | 直径110 mm、高さ113 mm |
重さ | 718 g | 581 g | 583 g |
Wi-Fi速度 | 5 GHz: 4804 Mbps 5 GHz: 1201 Mbps | 5 GHz: 2402 Mbps | 5 GHz: 1201 Mbps |
Wi-Fi性能 | 8ストリーム | 6ストリーム | 4ストリーム |
AIメッシュ | ○ | – | – |
電源 | 12 V ⎓ 2.5 A | 12 V ⎓ 2 A | 12 V ⎓ 1.2 A |
「価格」は時期によって多少の変動があるのでご注意ください。
大きく違うのが5 GHz帯のWi-Fi速度、そしてストリーム数になります。
価格差は「Deco X20」と比べて2倍以上、「Deco X60」とは16,000円ほど差があるのでそこが高い壁に感じてしまう方は多くいるかと思います。
現時点で思う個人的な結論としては、まずメッシュWi-Fiを使ってみたいという方にはあらゆる面でバランスの良い「Deco X60」を選ぶことをおすすめします。
その上でもっと速度を出したい、同時接続数を増やしたい、最先端のAIメッシュを使ってみたいと感じた場合に「Deco X90」を選んでみるというのが道筋として堅実ではないでしょうか。
「Deco X90」はメッシュWi-Fiの環境の効率を最大化するためのハイエンドモデル、と考えておくと良さそうです。
本記事では「【Deco X90 レビュー】メッシュWi-Fiの最上級!AIメッシュとトライバンドに対応したWi-Fi 6ルーターのハイエンドモデル」について書きました。
価格は5万円前後とDecoシリーズの中でも高めではありますし、機能面もフルスペックなのでライトユーザーの方には手放しでおすすめすることはしません。
TP-LinkのメッシュWi-Fiを使ってみたいという方は、まず「Deco X20」や少し予算に余裕がある場合は「Deco X60」を選んでみてください。
その上でさらにネット環境を良くしたい、という方のための製品が「Deco X90」になります。
「Deco X90」は一度導入すれば少なくとも5年は戦える、そんなパワフルで高機能なWi-Fi 6ルーターです。
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